「太陽がギラギラと照りつける季節が誕生日だったら良かったな。」
何時にない彼の残念そうな声で隣に視線を移すと満月を見上げながらほぅ、と白い溜息をつく洋ちゃんの姿。
銀幕の大スター、洋ちゃんは12月の、それも年末生まれ。夏と海が大好きな彼だから、私もそう言われるまでは
ずっと夏生まれの人だと思い込んでいたので、初めて知ったときは意外、と驚いてしまった。
「けど、12月生まれの人って何だか素敵じゃない」
「へぇ、どうしてそう思うんだい
?」
興味があるように私を見つめる洋ちゃん。夏の間中、こんがりと日焼けした肌とくっきりと残った
サングラスの跡がとても様になっていた。
「12月って言ったらクリスマスってイメージがすぐにつくじゃない」
私の答えを聞いて、「終わってしまっているけどな。。」と苦笑された。
「しかし、なかなか
らしい意見だぜ」
と、私の肩を優しく抱いてくれ、夜の海辺を歩き出した。暑い時期、海水浴場として賑わっていたこの場所も
冬になると誰もいない寂しげなただの海辺となっている。年末のしかも寒い時に海に来るなんて、と誰もがそう思うだろう。
しかし怪しまれる心配は無かった。ここは洋ちゃんと私しかいない、二人だけの甘くてロマンチックな世界だから。
今宵はお月様がとても美しい夜。空気は冷たく感じるけどそこまで肌寒くはなく、波も穏やかで
まさに散歩には最適の気温だった。月の光によってキラキラと光っている海がイルミネーションのように幻想的で最高に綺麗。
軽装だった私たちは今や冬服の格好。洋ちゃんは首にマフラーを巻いてコートを羽織っている。
違和感を感じなかった。やっぱりスターはなんでも似合うな。と改めて見惚れてしまう。
そんな彼と今年も過ごして来た一年間。指で数える程度しかなかなか会わない関係だけど、どの日も洋ちゃんが私を
精一杯楽しませてくれ、時間が経つのが惜しいほどにすごく楽しい思い出だった。洋ちゃんと過ごす日も今年で最後。
心残りのないように思いっきり堪能しようと思った。
海でボートに乗ってちょっと遠出をしてみたり砂遊びをしたり、スイカ割りに挑戦したり…。
あの時は楽しかったね。と思い出話に花を咲かす。
「人魚がいる」
突然彼がそんな事を言い出すので、えっ?と驚いて海を眺めた。人魚ってあの伝説の?
まさか、と思いながらもつい必死になってきょろきょろと探し始める私。
…しかしどんなに探してもその影らしきものはどこにも見当たらない。いないじゃない、と洋ちゃんを見たら
彼は海の方じゃなく私の方を一点見つめていた。そしていきなりぷっ、と吹き出された。
「な、何がおかしいの?」
「馬鹿だなぁ。君の事を言っていたんだぜ」
「わ、…私……?」
「あぁ。満月に照らされた君の横顔があまりにも綺麗だから…思わず見とれてしまった」
「何それ大袈裟。」
「いや、冗談で言ってんじゃないんだぜ。…まるで人魚みたいで…本当に美しい」
「君に夢中だ。
。」
「…洋ちゃん…。」
そう言われて私は洋ちゃんの筋肉のついた逞しい両腕にゆっくりと包まれた。寒さなんか忘れる程に
洋ちゃんの体はとても温かい。耳元にそっと囁かれるとろけるような甘い、甘い言葉。
あぁ、これに私は何度酔いしれた事なのだろう。まるで夢のようなひと時だ―――と思ったとき、
さざ波の音がとても遠く、遠く聞こえた。
「
。俺の別荘に泊まれよ。」
「え、でも、」
「まだ実家には連絡していないだろ?電話して伝えておけばいい。」
「そんな、悪いでしょ」
「
も本当は俺と…したいんだろ?」
「…もう、洋ちゃんったら…。////」
きっと私も貴方に抱かれたいと願っている。私も貴方に夢中だから。出会った時から今までずっと。
愛しい、洋ちゃん。
「今夜俺を夢中にさせろよ。君をずっとずっと離さないから。」
貴方をいつまでも想う人魚に、私はなりたい。
-end-
★くそっ、こんな甘甘すぎる設定、ロミ夫さんの話にも欲しかったぜぃっ……!!!!
とか思っている今日この頃♪(あ”!?)人魚の話なんてロミ夫さんの話には勿論合わなかったので;;;
洋次郎さん格好良いですよね(*´∀`*)何ともウホvな面があっt…何でもないっす;;;
あぁ2014年終了まであと3日だぁぁ〜〜〜〜、今年の4月から本当に色々な夢小説を書いてきますた!!!
まさか自分でもこんな展開になるとは思いもしなかったです;;;;;(;^_^Aもうイラスト置いてきぼりだぁ;;;;;;
しかも誕生日祝い夢まで書く運命(←?”)になるとはもう私、どんだけだ………orz絵ぇ描く暇ねぇじゃねぇか!!!おい
(自分で言うなっ、自分で!!!!)
けど夢小説という形で一人一人お祝いできて最高に楽しいですっ、
幸せです!!!♥(*´∀`*)bグッ!!
とりあえず目標は…全部の夢を書き上げてから生まれ変わったように絵に専念するつも
りですっ!!!!!
14.12.20