かつてこの橋の上である武将とその家来が出会い、華麗な戦いを繰り広げていたと言う説がある京の五条大橋。
そこから見える大きな垂れ桜を見るのが毎年の春の楽しみだ。夜のスポットライトに当てられる垂れ桜は
お昼に見た時よりも幻想的で、美しい。柔らかく優しい夜風に乗ってひらりひらりと舞う花びらが光に照らされ、白く輝く。
周りに色んな車が交わり、遠くに街が見える。これらがまだ無かった昔は、どんな風に綺麗に見えたんだろう。
その風景に恋をしたかのように、私は心を奪われ小さな吐息を漏らした。



カラ、コロ、と夜に響く下駄の音。あの方だ、と直感した。



ではありませぬか。」

「若様。」



桜と同じ方向にさらりと横に棚引く白い被衣。その下からちらりと覗く若様の顔。まるで絵の中から出てきたようにとても気高くて
何時見ても、綺麗だ。一歩、一歩と軽い下駄の音を鳴らして、私の隣に静かにやって来た。
――――その都度、心臓がどきりと音を立てる。



「何をそんなに熱心に眺めておるのですか?」

「夜桜を見ているのです。」



それを聞き、若様も桜の方へと視線を移す。



「今年も美しい桜が見れて良かったですね。」

「えぇ。お昼も綺麗な桜が咲いてて、ウグイスの声が一年ぶりに聞けましたよ。」

「なるほど、昼に堪能して、夜も堪能とは。なかなか欲が深い方ですね は。」

「すみません。;;;」

「フフ、結構ですよ。一年に一度しか見られませぬからね。この目にしっかり焼き付けといて下さい。」



私にふわりと微笑んだあと、もう一度桜を眺める若様。被衣から透けて見える彼の横顔。漆黒の瞳。
「綺麗」や「美しい」という言葉は若様にとても合う。…本当に綺麗。
垂れ桜も、この五条大橋も、まさに若様の為に存在しているかのようにそれらがマッチングしていて、すぐに絵になりそうなほどだった。
私は桜なんかよりも若様のその綺麗な姿と顔に目が釘付けになってしまった。



。よそ見をしていたらせっかくの桜が悲しみますよ。」

「はっ、はいっ!」



そう言われて初めて我に返り、慌てて視線を逸らす。彼が隣にいるだけでも、まだ心臓の鼓動が止まらない。
胸にそっと手を当て自身を落ち着かせても結果は変わらない。若様の言うとおり、せっかくの春しか見られない風景なんだから、と
垂れ桜の方に集中した。その時、若様が被衣を真横にゆっくりと広げた。



「入りますか?まだ冷えますから」

「あっ、い、いえいえそんなっ!私は平気ですからっ…」

「遠慮は要りませぬよ。 。」



白い被衣が肩にふわっと被せられる。一つの被衣に、若様と私の二人。桜の香りが少し漂う、若様の匂い。今にも私の肩にすらりとした手が置かれそうで
心臓が爆発しそうだった。隣をそっと盗み見ると優しく咲き乱れる桜の花びらのように綺麗な若様。





――――貴方がこんなにも、好き、なんです。





「若様。」

「何ですか? 。」

「その、……やっぱり、何でもありません」

「フフ、おかしいお方ですね」



この想いを伝えられない私は、こうして彼に寄り添うことしか出来ない。




-end-






★小説書く気起こすための対処法・プロの夢小説を読んで、やる気と根性をUPさせ るっっっ!!!!(ただしポップンは×。萌えてしまう為。←あ”!?)

やっぱりミラクル4も捨て難いっ!!という訳でまさかの若さんを書きました♪モデルは牛若丸とか、その発想はマジ反則過ぎてかっこいいvvv(!?)
mikko.が好きな一人・フォースくんは確定として、後のおふたりは書くのかどうかは分かりません
……っていうか過ぎてしまってますからーーーっっっ!!!残念斬っっっ!!!!(古”っ)
早く近々4月誕生日キャラリストを作らなければいけませんなぁ。。。

ポップンキャラ一人一人のお誕生を祝うのは私一人だけで充分です。(`・ω・´) (何言ってんだこいつ)

あぁっ、4月の京都なんて行ったことありませんっ。。満開の桜が死ぬまでに見たいですっ・゜・(ノД`)・゜・そうだ、京都へ行こう。(軽”っっ)


15.3.7

……ミミちゃんより完成させてしまいました、、、おいおい先にミミ子完成させろやヾ(・∀・;)