大切な友達と些細なことで喧嘩をしてしまった。家族以外の人に気持ちが高ぶってしまい
あんなに怒鳴ったのは初めてで、彼女の方も「じゃあ貴女とは二度と遊んであげない!」と怒って
姿をかき消してしまった。…それから一ヶ月が来ても。冬休みに入っても。年が明けてまだ寒さが残る
厳しい季節になっても。……ようやく暖かい春が訪れるひと月前になっても。




彼女はとうとう私の前に姿を現そうとしなかった。


複雑な気持ちと激しい後悔の念が押し寄せる毎日の中、やがて一年が経ってしまった。










「…しおんちゃん」



謝りに言おうと何度も訪れた誰もいない白夜の森に再び足を踏み入れた。まだ11月なのにもう早くも綺麗な雪が舞い、
地面の上に白く降り積もっていた。さく、さくと雪の中を歩きながら彼女の姿を探す。呼びかけても返事はなかった。
ここで迷い込んでしまい、初めて出会い友達になれた場所。一緒に雪遊びをしたり、雪結晶を見たり、森の中を探検して
毎日遊んだ場所。…今は一人。雪が溶けて失くなってしまった今年の春。思い出すたびに心が痛んだ。
自分の勝手な行為のせいで、どれだけ彼女の心を深く傷つけてしまったのだろうか。
雪のように、儚い心を持っているとも知らずに。


11月7日。大切な友達のお誕生日。彼女のために大好きな雪だるまを何時間かかけて作った。これがせめてもの
私にできる償い。いつも二人で作り上げた雪だるまも、一人だととても重労働に感じた。
あまり上手じゃないけど彼女を型どった大きな雪だるま。『私一人で一生懸命作ったよ』と白い空を見上げる。



……一年も経ってしまったんだからまだ怒って、別の森にへと行ってしまったんだろうか。彼女が姿を見せてくれるわけがなかった。
今頃は、新しい友達と遊んでいるんだろう。そう思うと、辛くて、辛くて、泣きたくなってきた。言いたい言葉も、言えない。
代わりに嗚咽の声が漏れた。




お願いっ……謝るからっ……だから、だから……出て、来てっっ…………。


















私を呼ぶ懐かしい声。真っ白な雪の結晶と共に舞い降りてきた懐かしい友達の姿。優しく見つめる笑顔。
雪のように白い両手がそっと差し出された瞬間━━━━大粒の涙が一気に溢れ出てきた。



「…っ……しおん、ちゃん………!」



駆け寄り、彼女の胸に飛び込んだ。そのまま崩れ号泣してしまった私の頭を、しおんちゃんは優しく、
ぎゅっと抱きしめてくれた。冷たく感じる彼女の体。温かく、思えた。



「…ごめんなさい…勝手な事ばかり言って」

「…っ……う、…ううんっ、謝りたいのはっ……こっちの方、だよっ……!」

「… …」

「しおんちゃんのっ……気持ちも、知らないでっっ……だからっ…だからっっ……本当にっっ……
ごめんなさいっっ…ごめんなさいっっっ…………!」

「…私の方も、悪かったわ。どうか、自分を責めないで。悪く思わないで……」

「…っ…私のことなんか、忘、れてっ……どこかに行ってしまったんじゃないかってっ…思ってっっ……。」

「そんな事はしないわ。 は、私の唯一の、大切なお友達だから。」

「…っ……許してくれる……?仲直り、してくれる………?」

「えぇ、大好きよ。」

「……うんっ……!私も、大好きだよっ………!そして…お誕生日、おめでとうっっ……。」

「ありがとう、 。」



泣きじゃくっている私を、私の作った雪だるまを交互に見つめ、しおんちゃんは嬉しそうに目を細めてニコリと笑ってくれた。
そして…頬にピンク色の赤みを帯びながら。目に涙を溜まらせながらも精一杯笑う私。
ひらりと華麗に舞いながら、両手を優しく取った。


。私にね、新しいお友達が出来たの。紹介してあげる。」

「うんっ!絶対教えてねっ!」




そして今年の冬も、大切な親友と精一杯雪遊びをする。


また春が来ても。


いや、いつか大人になり、記憶がだんだん薄らいでしまっても。


この友情だけは、決して溶けない。


そう信じて。




-end-






★しおんちゃんカワユス(*´Д`)という事で書きました、しおんちゃん★女の子同士も悪くないと思ってきた今日この頃(*´∀`*)
…あ、いや、決して別の意味ではなくて、ですよ!!??(何言ってんだこいつ)

2本も気合入れて書いたので、キーボードも私も体力使い果たしました(*´∀`*)

お友達というのは知っている方は知っているでしょう、ちょうど今年の2月に登場したフレームさんまたはフローラさんです^^
(ポップンプレーしていないのでアニメーションとかさっぱり分からない……;;;;;)



14.11.1