「明けましておめでとうマイハニ〜 !僕のカッコイイ初夢は見れたかい?」

「あ〜来たよ来たよ。 ちゃんの王子様が!」

「知りませんこんなストーカー男。この変質者さっさと警察に通報してください友人(棒)」

「せっかくの新年のご挨拶に来てあげたというのに傷ついちゃうなぁ。そんな性格じゃぁ
この僕みたいに身も心も美しくなれないよ?」

「うるさぁーい余計なお世話ッッ!!ナルシストは家に引きこもって自分ワールドにでも浸っていろいっっ!!」

「僕より2番目に美しい君を放っておくわけには行かないじゃないか。優しい優しい王子様に感謝しなよ?」

「Σその2番目ってのやめてくれる!?」

「フフフ新年早々すごく仲いいね〜。お二人さんの間でいいことありそうっ!」

「Σ仲良くないし!つか、あってたまるかっっ!!」

「ムキになって怒る君もなかなか魅力的だよ 。ま、この僕よりは劣るけどね」

「引っ込んでろっ、このウザ男っっっ!!!!!」










…見てのとーり、私の彼は頭が既にイカれている異常なぐらいのナルシスト系。
イケメンなのと性格が心優しいところにまんまと騙されて、いざ付き合ってみたらこれがまたとんでもなかった。
自分がいつも頂点に立ち、私は必ず2番目扱い。彼が私を褒めてくれるなんて奇跡は出会ってから一っ度も無い。
これが本人も知らない、知るわけがない、一番の最大の欠点。それさえ無ければ、彼は完璧な男であるはずだった。
自己陶酔型彼氏は、毎日毎日私を悩ませる。……あぁこんな形でまた新たな一年を迎えるのか。
先が思いやられるっっ。。。そう考えると、頭が痛み出した。



…けれど、からかってみると反応が面白いし飽きないから、不思議と嫌いにならないんだよね。




「やぁ 。今日の僕は最高にカッコいいかぃ??」

「キモい」

「Σ何でだいーーーっっっ!!!??(がーん)それが君のダーリンに対する褒め言葉かい!!?;;;」

「えー?素直な感想をストレートにどんっと言っただけですけど??それにそういうところは嫌いじゃないって
前から言ってたじゃない?」

「フフ、確かにそうだったね。ありのままの も、君らしくて可愛くて素敵だよ。」

「!ナルヒコ…。」


そうだ、そんな言葉を口に出してくれるのをずっと待っていたのよ、とドキンと心臓が高鳴る。
ナルヒコのすっと笑みを浮かべた瞳が私をまっすぐ見つめる。それがどこか男らしくって…かっこいい。と思った。



「…ま、僕のこの美しさにはまだまだ及ばないけれど・ね★」




――――― カチン。前言撤回。


がちで惚れしてしまった私って……馬鹿なの?死ぬの?


自分の魅力に気絶してしまいそうなナルヒコに比べて、こっちは怒りで狂ってしまいそうだった。




「もうっっ、いーかげんに、しろーーーっっっ!!!!!」













いよいよ頭にきた。いや、悔しく思えてきたと言うべきか。



意を決したように自室のタンスから丁寧に、慎重に引っ張り出したある一着。新品なのでまだ真新しく着こなせてないそれを
下からゆっくりと身に包ませる。何処かのパーティーに出かけるわけでもない、季節はずれの寒い格好の
1月の誕生石が散りばめられた豪奢なドレス。この時の為にどれだけ必死にお小遣いを貯めてきたんだろう。
ドレスから放つキラキラオーラが、私の今までの苦労を讃えてくれるかのようだ。


一度は宝石を考えていたけどあんな高価なものは二度と買いたくないし、あいつを余計に美化させるだけで効果はなし。
誕生花がマシかな、と思ってネットでググってその意味を調べて一秒で却下。
…『自己愛』だからだ。全く誰がそんな最悪な意味を付けたものなのだろうか。


普段は全然しない髪のセットに精を出し、5分程度で済ますお化粧もじっくり長い時間をかけてメイクアップさせる。
…うん、バッチリ決まった。年始最初にあいつに贈るものもこの場ですぐに決まった。
今までと180°大変身した、私という名の誕生日プレゼント。
ナルヒコ。お前に最後のチャンスを与える。それでもやっぱり僕に勝ち目はないね、なんて豪語するならば…
こっちだって考えはある。こんな馬鹿みたいな付き合いはこっちから即刻・破棄にしよう。いつでも覚悟は出来ていた。


化粧が終わった同時にドアの開閉の音が自室に響く。そしてこちらに向かってくる軽快な足音。あいつが帰ってきた。
愛用の手鏡で自分の顔をルンルン気分で整いながら「今日一日の僕は最高に美しかったなぁ」などなど勝手に
一人で惚れ惚れしている、いつもと変わっていない姿が嫌でも目にちらつく。それもいい加減嫉妬を覚え、腹ただしく思ってきた。
何さ。絶対見返してやるんだからね。鏡台の前にじっと座りながらあいつが現れるのをひたすら待つ。



しかし今夜のナルヒコは、私の思っていたのとは遥かに違っていた。







「美しい…。」



背後にゆっくりとやって来たナルヒコが鏡に映った私を見てほぅ、と感嘆の溜息を漏らす。
それは自分に向けた言葉ではなく、綺麗に様変わりした私に対しての初めての褒め言葉。



「…本当に美しい。君はあの なのか?本当に君なのか…?」

「えぇそうよ。貴方の知っているユアハニー よ?」

「…あぁ、綺麗だ。本当に綺麗だよ。この世のものとは思えないぐらいだ。何の例えようもない。
最高に美しいよ、 。」



そのとろんとしたような表情は私に初めて見惚れた時と同じだった。白い肌を曝け出した両肩に
男のものとは思えない、華奢で肌白い手が置かれる。そして後ろからゆっくり抱きすくめられると
そのまま私の体をさらい、シングルベッドに移動する。白いシーツに手を置いたナルヒコに
組み敷かれる体勢となった。もちろん抵抗する理由も、必要もない。私は勝ち誇ったような笑みを見せた。



「これでもやっぱり自分の方が上だって言う?」

「とんでもない。僕の完敗だよ。今日から君がナンバーワンだよ。僕だけの美しき女神様だ。」

「ふふ、嬉しい。やっと認めてくれた。…優しいナルヒコ王子さま。大好き。」

「愛すべき君と夜を明かしたい。… 。二人で熱い今宵を楽しもう。」



ちろりと舐められる首筋。体に触れる優しい手つき。あまりの嬉しさで、自分でも淫乱に思う声を何度上げたことだろうか。
私も、ナルヒコも、お互いが満足するまでこの夜は終わりそうになかった。



今宵は二人だけで過ごす、愛のフィーバーナイト。



-end-






2015年、明けましておめでとうござ います!!!!☆☆☆☆本年もmikko.と夢小説をよろしくお願いします!((ゝ∇・**))ゞ

そして今年もおまいらを、
祝ってやるっっっ!!!!!(今年のサブ(?”)目標。)


はい、一年最初の夢小説がまさかの、ナルヒコさん(ちゅどーん)
ギャグで終わらせたかったんですけど、ラストがこんなにエr…色っぽく終わるなんて思ってもみませんでした;;;
こんな調子で一年を迎えて大丈夫か???いやいや、大丈夫でしょうっっ!!!(←
今年も皆様が楽しく過ごせられるような一年でありますように♪

ナルヒコさんも私の中では憎めない密かな好きキャラだったりします★(笑)


14.12.26