年老いて生涯を終えるまでにはたとえ願っても叶わない夢だとばかり思い込んでいた。
いや、私の人生にはどちらにせよ無必要なもの、無縁のもので望んでもいない、そんな恋だった。
私は世間の評判を受け付けない少女詩人。籠から放たれて遠くに行ってしまった青い鳥を求めている。
貴方と出会わなければそんな人生を送っていたのかもしれない。
貴方という青い鳥に、全てを揺り動かされて ―――――
漆黒の闇に包まれた夜空にきらり、と光るものが走った。あれは、
「…流れ星」
毎日夜空を見上げてきたけど、この目で見たのは生まれて初めてで、流れ星なんて作り話の中だけだ、と思っていた。
そういえば願い事を3回言うとそのお願いが叶う、と聞いたことがある。信じているわけではないけど、
目を閉じ何気なく願いをかけてみた。
「かごめ。何を祈っているんだ?」
隣に座っていた想い人・
が私の顔を覗きこんできた。私が願いをかけるなんて姿は珍しくて
滅多に見られない光景だったらしく、
の顔は興味深々そのものだった。私の答えを聞くまで視線を外さず見つめてくる。
「…別に、大した願いじゃない。」
「なんでだよ?教えてくれよ誰にも言わないからさっ!かごめの願い、どんなのか凄く気になってしまってさ。」
「……本当に誰にも言わない?」
「あぁ、約束するっ!」
「…………。」
星たちや、満月の光に照らされた
のその笑顔が眩しく感じて。「笑っている貴方がとても好きよ。」と本当の気持ちを言えたら。
想像するより心がもっとときめくだろう。けど、こんな私に堂々と言える自信がない。小さく、ぽそっと呟く程度で短い言葉を発した。
「………ずっと」
「ずっと?」
「…………ずっと、今のこの時間が続きますように。…って」
「!………」
そこまで言い切った時、それまで笑っていた
の顔が驚きの表情へと変わった。…裏を返せばまるで告白みたいなものだ。
内心恥ずかしいと思いながらもそのまま体を丸めて
をなるべく見ないようにした。なんとも私らしくない行為だった。
しかし
の反応は思っていたものとは期待はずれだった。
「…じょ、冗談は程々にしてくれよかごめ。俺をからかっているつもりなのか??」
「なっ、冗談でもないし、からかってなんかいないっ。ほ、…本当に言ってるつもりよ…」
「え、えぇっ??な、何か、信じ難いなぁ…」
「う、嘘じゃないっ。…もう、怒るっ。」
「ごっ、ごめんごめんっ!このとーりだから、そう怒るなって〜;;」
わざと怒って拗ねて見せると、手を合わせて必死に謝る姿が滑稽に見えたので思わず笑いが零れてしまった。
「あっ」と何かを発見したような顔で私を見つめてくる
。
「…何…?」
「…かごめの笑ってる所、初めて見た」
「…っ…違う。呆れてるだけで」
「いや、冗談抜きですっごく可愛かった!写真撮っときたかったくらいに!カメラ持って来れば良かったなぁ〜」
「……も、もう、からかわないでよ…」
少しだけむすっとすると歯を見せて「ハハハ」と笑ってくれる
。
「普通のかごめも可愛くて綺麗だけどさ。もっと笑って欲しいなぁって思ってる。笑うかごめもすごく可愛いし、
――― 大好きだからさっ!」
「…っ………。」
「
。」と言いかけようとした所で言葉が詰まった。頭をそっと撫でられたから。
の優しい手、だからだろうか元から嫌ではなかった。
寧ろ恥ずかしくて、正直に言うとすごく嬉しかった。率直にものが言えなくて、恋人の名前を一度も呼んだ事がない
こんな不器用な私に対して。いつも素直でいて隠すところがなく、笑顔を絶やさないでいてくれる
は夜空でも輝いて見える。
今夜も颯爽と飛んで戻ってきてくれた、私だけの青い鳥。
「(私も好きよ。
。)」
その手を繋いで、素直に笑ってそう伝えられるのはいつになるんだろう。
-end-
★かごめさんも世間に興味無いとか言いながらも恋の一つや二つしたらそれこそめっちゃ可愛いかもなぁ〜〜vvvという事で(←
公式でも全然見たことないですもんね、そんな乙女な姿のかごめさんをっ!!人生恋を体験するのも悪くないですよポップン界の女性諸君!!(←
俺はあろうがなかろうがどっちでもいいのだがね☆(*´∀`*)へへ(えらそーに言うなし)
にしても昔に描いたかごめさん、目つきがぱないぐらいに超悪かったですなぁ(汗”)
15.1.27