宇宙人と共に私を危機から助けてくれた、私のヒーロー。そんな彼のお誕生日。
大好きな彼だからこそ、いけないと思いつつもちょっとしたいたずらを仕掛けたくなってしまうのだ。
「サイバー、クッキー、はいどうぞっ!」
「おおぉっ、これ
の手作りなの?マジでっ??」
机に突っ伏していたサイバーが、差し出したクッキー達を見た瞬間勢いよく顔を上げた。
案の定、両目をキラキラ〜と輝かせている。しかもお誕生日だから喜びが一段と上昇。
甘い物が大好きなサイバーはにこにこ笑いながら「どれどれ」とクッキーの一つを摘まみ上げる。
ふふ、罠に引っかかった。と私は心の中でドヤ顔を見せた。
一見何の変哲もないように見えるけど実は隠し味としてこっそりと入れた、辛し入りクッキー。
私としては変わったやり方の、いわばサプライズ誕生日プレゼントというわけだ。
単純なサイバーだからまんまと騙される姿がすぐに目に浮かぶ。どんな反応するのか、楽しみだ。
もぐもぐ頬張りながら目を丸くするサイバー。やった。罠にハマった。…と、思いきや…。
「何これっ、メチャ美味いじゃんっっ、
ひょっとして料理の天才かっ!?」
「(…!?嘘っ…!?)」
美味しい物を頂いた、あまりにも嬉しそうな顔だったので呆気にとられてしまった。入れ忘れだろうか。
いや、あれだけ全部入れて、抜けがないか何度も確認したからそんなはずは無い。それともサイバーの味覚がおかしいのか。
「
も食ってみたら?」と勧められたので、確かめるためにクッキーの一つを口に運んだ。それをかじった瞬間。
「…っっっ………!!!!!!」
とんでもない辛さが口の中に一気に充満し、喉を焼き付けたっっっ。大量の涙がぼろぼろ溢れ、何度もむせ返る。
そんな私を見てさもおかしいと言いたいようにプーっと吹き出して笑い出すサイバー。
本当なら涙するサイバーを見て大笑いするつもりだった私が、まさかの逆の立場。うぅぅ、なんて、屈辱っっっ……!!!
悔しくなってサイバーを睨みつけてやると、まだかじってもいないクッキーをぺっと手の上に吐き出していた。
「あっはっはっは、このヒーロー様を騙そうなんざ、100年早いんだよ。油断したなぁ
っ♪」
「…っ…ううっ、く、悔しいっっ…!!!げほっ、げほっ!」
なんと嚥下せずに口内で転がしていたのだ。…まんまと騙されたのは私の方だったっ。
尚も苦しんでいる私を見て得意げに自慢するサイバー。けど憎らしくなく、何処か楽しい気持ちにさせてくれる。
そんな私だけの、大好きなヒーロー。
「…まっ、
のくれた誕生日プレゼントなら何でも許してやるけど、なっ!」
にかっと歯を見せた無邪気な笑顔を見て、許されて良かったという少しの安心感があった。
-end-
★…えっ、終わったんですけど。早くね????しかもいつも長いのに短いしっ…!!(*゚▽゚*)←いやいや…。
今年に入ってからふと思い浮かんだネタ。サイバーくんも書きたいなぁと思っていたのでちょうど良かったです〜ヽ(*´∀`)ノ
何度も言ってしまいますけど、ぱっと浮かんで即・書かなければ、冷めてからでは遅いですからねっ。辛し入りクッキーねぇ、
今度挑戦してみようかな(ヾノ・∀・`)ムリムリ
最近イスラム国の人質事件でえらい事態になってますよね…今後の世界、一体どうなるのやら……(沈)
15.1.22