まだ学生の頃の私は、周りの人達みたいに一生に一度しかない思い出を友達と共有する程の余裕なんて無かった。
勉強、部活、成績問題、人間関係、家族関係、進路問題など。
挙げても挙げてもキリがないぐらいの消えない悩み。次々と追い討ちをかけるように日々私を苦しませた。
そして何時しか、将来に希望を持てなくなってしまった。この先懸命に生きたって不安や絶望しか無いんじゃないかって。
日頃のストレスから逃げるように、私は家出した。



見知らぬ路地裏で一人膝を抱えてうずくまっていたら誰かに声をかけられた。



「そこのお嬢さん」

「何を泣いているんだ?」



二人の男性。それも狐と犬の獣人。目を擦ってよく見ればテレビなどで見た事のある二人組で思わず我が目を疑い、涙もすっかり消えた。
彼らは数々のヒット曲を生み出している。そう、バウンティ。
言葉少なにこれまでのいきさつを語ると彼らは一つのアルバムをくれた。



「俺達の曲を聴いて元気を出すといい」



家に帰り、あまり音楽を聴かない私がそのアルバムのCDをセットしその一曲を耳にした瞬間、――――世界が一気に反転した。



何にも臆することの無く、人生の道を駆け抜けていくようなギターの激しいビート。炎のように燃え盛る、熱い歌声。
今の心境を例えるような、シンプルだけど情熱的な歌詞が私に直接語りかけてくる。
今まで抱えていた黒々とした鬱積が一気に洗い流され、魂を熱く、大きく揺さぶられた。



それが私とバウンティとの初めての出会い。私は彼らと、彼らの歌に虜になり、好きになった。



以後、彼らの曲を聴かずにはいられなくなり、スランプに陥った時に聴いて元気をもらったりライブがあっては毎回聴きに来た。
それだけで満足だったはずが、幸運なことにバウンティ本人達と直接会ってどんな悩みも打ち明けられる関係となったのだ。
思いの全てを告白した時、初めて知らされた。私はこんなにちっぽけな、本当にちっぽけな事で悩んで生きて来たんだ、と。
そんな自分を笑い飛ばしてやりたい。彼らの曲にも似たような歌詞があった。まさにそのものだった。
彼らと、バウンティと出会ったおかげで心の底から笑えるようになった私がいた。







時が経ち、卒業しいつもと違う真新しい制服。そして一歩大人に近づいた着慣れないスーツを身に着けて。
未来が見えないその先の道を踏み出せずに怖じ気づき、留まった。不安ばかりが塞がるその道の前で。
しかし彼らは傍に居てくれて。
励ますように、笑顔でその背中を押してくれた。



「心配は無い、 。」

「俺達はいつでも、 の味方だ。」


















3月2日。バウンティが初めて結成した大切な記念日。そのバースデーライブツアー。出会った頃からの精一杯のお祝いと感謝を込めた
溢れんばかりの花束を。涙を浮かべながら二人を思い切り抱きしめた。
親友と言えるたくさんの友達に恵まれた。そして素敵な恋人に出会えて結婚し、幸せな家庭を築ける事が出来たよ。と嬉しげに報告した。
「良かったな。」と大人になった私の背中を叩いてくれた。「それは が恐れずに勇気を出せたからなんだ。」と微笑んでくれた。
けど、
貴方達が、こんな臆病だった私を変えてくれたからなんだよ。




本当におめでとう。今まで本当に、ありがとう。



これからも力溢れるその歌の力で私を支えていってね。



大好きなバウンティ。










「Hyuー!今日も俺達のライブに来てくれてサンキューっ!!」



大きな歓声に包まれながら、魂が揺さぶられる熱いライブが幕を開いた。



-end-






★mikko.は本当に彼らのモデルさんが好きで好きで(*´ω`*)遂にポップンにも○’zがっっっ…!!!と興奮してしまいました←
どれだけバウンティさんに対して愛情があるのか、もう↑の小説を見れば一目瞭然ですよね(笑)
この先色んな歌手さんのモデルさんをどんどん出しちゃって欲しいですものねvvv

サニーパークでも新曲が出てきましたが、やっぱり私はノーノーWAYの方が大好きです!ノーノーノノーうぇ〜いっっ!!!♪


15.2.27